2018年9月22日土曜日

妄想劇場・特別編

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みんな、私の着ているものを見て笑ったわ。 
でもそれが私の成功の鍵。 
みんなと同じ格好をしなかったからよ。 
・・・(ココ・シャネル )




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突然、経験したこともない大きな揺れを感じた時、
どうしますか? 

頭を隠す、台の下にもぐる、外に逃げる…。
今この瞬間は何も起こっていない平時なので、
時間をかけてゆっくり考える余裕がありますが、
災害は突然起こるものであり、起こった場合に
ほとんどの人がパニックになります。

それは人だけではなく、猫ちゃんたちも同じことです。
猫ちゃんたちの場合は特に、私たち人間のような
防災訓練や準備を行っているわけでもなく、
テレビやラジオから情報を得ることもできませんので、
そのパニックたるや大変なものです。

私も、熊本地震を経験してから初めてそのことを
知りました。
熊本地震発災時、「ドスン!」という大きな音と
振動とともに経験したこともないほどの大きな
揺れを経験しました。

幸い、私が院長を務める竜之介動物病院は
耐震性に優れた構造だったため、私の診察室は
何もなかったかのようにいつも通りの診察が
できましたが、薬品庫や処置室は悲惨な状態で
足の踏み場もないほどでした。

私は飼い主さんを落ち着かせようと、いつも通りの
診察と会話を心がけましたが、その数分後から、
外来に患者さんや避難者の方々が一気に押し寄せ、
あっという間に待合室がいっぱいになりました。

割れたガラスを踏んでけがをした猫ちゃん、
家具やタンスの下敷きになってしまったワンちゃん、
パニックで飛び出し、交通事故で血だらけで
運ばれてきたゴールデンレトリバーなど、

待合室は白い床が血液で真っ赤に染まっていました。
私は戦争経験者ではありませんが、野戦病院は
こんな感じだったのではないかと想像してしまう
ほどの光景が目の前に広がっていました。

その中で、猫ちゃんの場合にいくつか特徴的な
症状がありました。

一つ目は、「後ろ足からの出血が止まらないので、
何か踏んだんじゃないでしょうか?」
というものです。

診察をしてみると後ろ足の爪が全部剥がれて、
そこから大量に出血しているというものでした。

原因を推測するに、突然の揺れに驚いた
猫ちゃんたちが、パニックのあまり走り出し、
部屋中を床だけでなく、壁、天井まで駆け上がりながら、
気づいたら爪が剥げて、出血している状態であると
考えられました。

ケガをしてからすぐ来院した猫ちゃんたちは
比較的軽傷で済んだのですが、けがから
数日経った場合には、後肢から感染を起こして、
膿(うみ)がたまった状態でパンパンに腫れている
という症状の子も多かったです。

次に多かったのは、パニックで部屋の外に逃げ出す、
または、マンションから飛び降りるといったものです。

私たちは通称「フライングキャット」と呼んでいますが、
マンションなどの高層階から飛び降りた場合には、
骨盤骨折や内臓破裂などの重傷で運ばれてきます。

震災の場合には、大きな揺れで扉やサッシなどが外れ、
容易に外に出られてしまうことが大きな
原因だと考えます。

特に猫ちゃんの場合は、部屋の中で放し飼いに
されてることが多く、首輪やマイクロチップ、
迷子札などをつけていないコがほとんどだったので、
逃げ出してしまった後もなかなか見つからないという
相談が後を絶ちませんでした。

日頃おとなしい猫ちゃんでも、災害時は
程度は違えどほとんどがパニックになります。

「うちの子は大丈夫!」と思っていても、パニック状態の
猫は野生の本能がむき出しになり、
「いつものうちのコ」ではなくなってしまいます。

不用意に近寄ったり、手を出したりすると攻撃されて
飼い主でさえけがをすることもありますので、
よく観察して注意深く対応する必要があります。

パニック時に考えられる猫ちゃんの行動としては
次のようなものがあります。
それぞれに対処法を記載しますので
参考にしてみてください。

「ひたすら鳴く」

抱っこができるようなら抱いて落ち着かせます。
キャリーバッグに入れて、上からバスタオルをかけて
暗くすると落ち着くこともあります。

「おびえる」

落ち着かせるために、バスタオルや洗濯ネット、
クッションカバーなどで身をくるんだり、キャリーバッグに
入れたりすると安心できます。

「人から離れない」

不安な気持ちを取り除くために、甘えさせてあげましょう。
スリング(抱っこひも)に猫を入れて肩から提げると、
体が密着するので猫も安心します。

「隠れる」

落ち着くまではしばらく出てきません。
無理に引っ張り出そうとすると恐怖心がさらに高まり、
噛んだり引っかいたりするので、猫ちゃんが
自分で出てくるのを待ちましょう。

「暴れる」

興奮状態の猫ちゃんは周りが見えていません。
落ち着かせようと思って不用意に近づくと思わぬ
けがにつながることもあるので、興奮が収まるまでは
離れた場所から静かに様子を窺ってみてください。

「威嚇する」

声をかけたり触ったるするとかえって猫を刺激して
不安感をあおってしまいます。
威嚇している場合には目を合わせずに、
離れた場所からそっと見守りましょう。

「外へ飛び出す」

猫が逃げても、そんなに遠くまでは移動しません。
慌てて追いかけたくなってもまずは自分自身の
安全確保が第一です。

もしも猫ちゃんとはぐれてしまったら、まずは慌てずに
冷静に行方を探しながらさまざまな手段で
情報を集めます。

猫ちゃんのテリトリーは自宅から100m~300m
といわれており、基本的に長距離の移動はしません。

特に室内飼育の猫ちゃんはそんなに遠くには
いかないので、猫の名前を呼びながら、家の周辺の
車の下、植え込みや茂みの中、縁の下、屋根の上等、
猫ちゃんが好みそうな場所を上下左右立体的に
丁寧に探してみてください。

外に逃げたと思っていても、実は家の中に隠れていた
というケースも多くありましたので、家の周辺を
徹底的に探すことが重要です。


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はぐれた場所、猫ちゃんの特徴、年齢、名前、
毛色や種類などを伝え、似た猫が保護されていないか
問い合わせてみると何か手がかりが見つかる
かもしれません。

いざというときに備えるポイントとしては、日頃から
自分の猫ちゃんの写真を正面だけでなくあらゆる
角度から撮っておくことです。

猫は犬と比べて特徴が少なく、顔だけの写真では
見つけにくいものです。
全身の色、柄、尻尾の形等、飼い主以外の人でも
わかるように写真を撮っておくと格段に見つかり
やすいですし、やはり個体識別にはマイクロチップ
装着が一番です。

また、もし見つけたとしても、急いで駆け寄ったり、
大きな声を出したりはしないよう注意しましょう。
驚いて逃げ出してしまう可能性があるからです。

少し離れた場所からしゃがんで優しく声をかけ、
ごはんやおやつ、またたびなどで気を引き、
確実に捕獲します。

安全に連れて帰れるようにキャリーバッグや
洗濯ネットも忘れずに持ち歩くこともポイントです。

私は、熊本地震を経験してから、日頃の備えが
非常時の状況を大きく左右することを身をもって
経験しました。
そこで、備えておきたいペットの防災
「か・き・く・け・こ」を紹介します。

備蓄品などの「物」だけでなく、飼い主の心構えや
マナーも大切な備えの一つです。
いざというとき、飼い主がパニックになってしまうと
猫も不安になります。
飼い主の気持ちが猫に連鎖してしまうのです。

しかし、この連鎖はプラスにも働きます。
落ち着いて行動していれば、猫も安心できます。
日頃から非常時のシミュレーションをして、
精神的にも備えておきましょう。

「か」飼い主のマナー・責任

大切な愛猫を守るために動物が苦手な人に対しても、
思いやりを持ち、飼い主としてのマナーを身に
付けるよう心がけてみてください。

「き」キャリーバッグ

キャリーバッグでの避難が原則です。
室内では猫の身を守るシェルターにもなるので、
日頃から慣らしておく必要があります。

「く」薬・ごはん

いつも食べているフードや飲んでいる薬は非常用
持ち出し袋などに準備しておき、期日管理を行いながら、
常に新しいものに入れ替えるよう工夫してみてください。

「け」健康管理

災害時は病気や感染症にかかりやすくなるので、
ワクチン接種やノミダニ予防、定期的な健康診断を
受けておくことが大切です。
普段の様子を把握することで、ちょっとした異常も
察知することができます。

「こ」行動・しつけ

トイレのしつけ、キャリーバッグに入る練習など、
いろいろなものに慣らしておくことは猫のストレス
軽減にもつながります。

最後に、災害時、大切な猫ちゃんを守れるのは
あなたしかいません。
そして、災害時にあなたを支えてくれるのも一番
そばにいる猫ちゃんなのです。

大切な存在がそばにいれば、どんな困難でも
乗り越えられます。
大切な猫ちゃんのために備えることで、きっと
今よりももっといい関係が築けるはずです。







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会社が業績不振になり、
リストラを実施せねばならぬ状態になりました。
こんな時の会社の環境は、疑心暗鬼になり、
雰囲気はますます暗くなってきます。

私は誰かが辞めさせられるなら、
自分が辞めれば一人は救われると思い、
自分から申し出て退社しました。

その後、し尿汲み取り(役場の現業職)
に従事することになったのです。
妻と長女は事情を理解し、早くに納得したのですが、
長男が反発して一週間も飯を食わないような
状態でした。

長女は高校生で、長男は中学生でした。
反抗期の長男には無理もないことです。
でも、長男には時間をかけて言い聞かせました。

『職業に貴賎はない。
誰かがやらねばならない仕事が世の中には
あるんだ。

お前は、もし、友達の父親が汲み取りをしていたら、
そいつと付き合わなくなったり、その父を
軽蔑したりするのか』諄々と言い聞かせ、
ようやく長男も納得したようです。

ある日のことでした。

地元の本屋さんで汲み取り作業をしていたら、
女子高生数人が遠くから来るのが見え、
その中に長女がいるではありませんか
私の背中に冷や汗が流れました。

作業による汗ではなく、脇の下からも生汗が
出てきました。
友達の手前、こんな父親の姿を見られる
娘の心境はどうだろう。

年頃の女の子です。
友達の見る目は、彼女らにとって大きい意味を
持つ年代でもあります。
娘が恥ずかしく思いやしないかと、私は、
とっさに物陰に隠れようとしたのです。

その時でした。

『お父さん、頑張って~』少し離れた所から、
私に向けて、娘が声をかけてきたのです。

この時の私は、驚きのあまり
複雑な笑いを返していたかと思います。
その後、深い自省の念がこみあげてきました。

私は、日頃言ってきたことと、
自分のとった行動の違いに情けなさを
感じたのです。

職業に貴賤は無いという長男への説得は、
表面上だけの薄い言葉だったのか。

娘の方が人間としてどれほど立派か、
それを思い知らされた場面でした。

今でもこの時のことを思うと、
娘への感謝とともに、自責の涙がこぼれ
落ちます。・・・





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