2018年11月15日木曜日

妄想劇場・特別編

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みんな、私の着ているものを見て笑ったわ。
でもそれが私の成功の鍵。
みんなと同じ格好をしなかったからよ。
・・・(ココ・シャネル ) 



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揺さぶりの虐待は本当に相次いでいるのか?

乳幼児が頭を激しく揺さぶられることで脳に
損傷を負う揺さぶられっ子症候群(SBS)。
親がSBSで逮捕・起訴される事件が
相次いでいます。

生後1カ月の長女を揺さぶったと疑われた
母親が頼った弁護士は、誤った診断で冤罪が
量産されていると訴えます。

一方、医師の虐待対応の「診断ガイド」を作成し、
虐待専門医として法廷に立つ小児科医は、
「SBSはほとんど起訴されず虐待が見逃されて
いるのが実態だ」と訴えています。

ふたつの“正義”が法廷で衝突し、母親に
判決が下されます。

虐待をなくす「正義」と冤罪をなくす「正義」

2017年4月、とある研究会で秋田真志弁護士から
「揺さぶられっ子症候群(SBS)」の問題について
話を聞きました。

そのときの衝撃は今も忘れられません。
「SBSの診断根拠は海外では約20年前から
見直されつつあるのに、日本ではなぜか
2010年代に入って赤ちゃんを揺さぶったとして
親が逮捕・起訴される事件が目立つように
なりました。

背景には、虐待専門医と呼ばれる一部の
医師がアメリカの理論をそのまま取り入れて
SBSを推進している動きがあり、そうした
医師の診断を鵜呑みにして、児童相談所は
親子を引き離し、警察・検察・裁判所は
親に刑事責任を科している」というのです。

もし、医師が過剰に診断している実態があるなら、
現在の日本の刑事裁判ではチェックが働かず
冤罪が次々に生まれているかもしれない
と思いました。

虐待専門医が執筆した論文をみると、
SBSと診断するには「1秒間に3~4回往復させる
ほどの激しい揺さぶり行為」が必要だといいます。

思っていたよりかなり激しい揺さぶりで、
このときはじめて、多くの親がそんな激しい
揺さぶりを行うものなのかなと奇異に感じました。

これまで揺さぶりによる虐待のニュースは
何度も耳にしていました。
親が激しく揺さぶる行為はよくあることだと
これまで疑問を持ったことはありませんでした。

人間の思い込み(バイアス)というのは
怖いものです。
最初に聞いたときに疑問を持たなければ、
その後は“そういうもの”として受け入れて
しまっています。

逮捕時に報道しているメディアの責務として、
SBSの実態をしっかり検証していく必要が
あると思い、取材を開始しました。

取材を進める中で、我が子を揺さぶったと
疑われている親にたくさん会って話を
聞いたところ、当事者はあまりに過酷な
状況に置かれていました。

自分の子どもが、後遺障害が残るほどの
大ケガをしています。これだけでも大変な
事態なのに、児童相談所によって子どもと
引き離されたり、並行して警察捜査への
対応が求められ、

場合によっては逮捕・起訴され刑務所に
送られるかもしれません。
家庭内という密室で起きていて、カメラが
あるわけでもないし、第三者の目撃者が
いるわけでもありません。

虐待していないことを証明する十分な術が
彼らにはありません。
SBSの診断には十分な医学的根拠が
あるのか見極めなければならないと
感じました。

そのため、虐待専門医にも話を聞く
必要がありました。秋田弁護士らが千葉県内で
開催した研究会に参加していた溝口医師は、
秋田弁護士が問題視していた虐待に対応する
医師の「診断ガイド」の作成者の一人で、
数週間前に秋田弁護士とはSBS裁判の法廷で
対決したばかりでした。
研究会終了後に溝口医師から話を聞くことが
できました。

溝口医師は、虐待を見逃して、子どもの命を
危険にさらすことはできないことを何度も
強調され、そのとき気づきました。

これは「善」対「悪」という単純な二項対立の
問題ではなく、虐待をなくすという「正義」と、
冤罪をなくすという「正義」が衝突せざるを
得ない問題であると。

目的はどちらも正しいことに異論はありません。
しかし、手段である虐待診断の基準を緩くすれば
冤罪は増えるし、診断基準を厳しくすれば
虐待した親を見逃すことになりかねません。

どちらにも「正義」があるからこそ、両立できる
着地点を目指すべきで、「ふたつの正義」という
タイトルにはこのときの思いが込められています。

「10人の真犯人を見逃しても、一人の無実の人を
罰することがあってはならない」という
刑事裁判の格言があります。

この格言に真っ向から反対する人は
少ないかもしれません。
でも、「10人の虐待した親を見逃しても、
一人の無実の親を罰してはならない」
という格言なら、多くの人はどのように
答えるでしょうか。

取材中、この問いが頭の中から離れることが
ありませんでした。

「誰もが当事者になりうる話なんです。
赤ちゃんが落下等の事故で病院に
運ばれた際、CT検査で頭に急性硬膜下血腫
などが発見されます。

そのとき、直前に赤ちゃんと一緒にいた
あなたがSBSで虐待したと疑われるかも
しれないのです。
私自身生まれたばかりの子を持つ親として、
とても他人事とは思えませんでした。

SBSによる逮捕・起訴が増え始めたのは
2010年前後です。
これまで病院、児童相談所、警察を引っ張って
きたのは、虐待専門医と呼ばれる一部の
医師たちです。

彼らは、児童虐待問題にしっかりと向き合う
社会を作り上げてきた方々です。
その思いは、子どもの命を守っていくという
「正義」です。

でも、“正義”は、その“目的”が正しいがゆえに
結果として暴走してしまう場合もあります。

はたして、虐待をなくすという“正義”の実現の
ために選択してきた“手段”が、今では
行き過ぎたものになってはいないか。
見極めていただきたいと思います」・・・


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人は、どういう時に相手のことを信用するの
でしょうか。
その一つは、自分の事を「損得抜き」の間柄だと
思ってくれていることがわかった時だと思います。

仕事が忙しいのにもかかわらず、仕事を
早退してまでお見舞いに来てくれたり、
頼んでもいないのに、「アイツから聞いたけど、
店の経営が思わしくないそうだね。
対して役に立てないだろうけど、何でも言ってくれよ」
と声を掛けてくれたり。

そういうことは、友達同士での付き合いのことですが、
「商い」を通してでも、「ああ、この人は、損得抜きで
私のことを考えてくれている」と思い、信用する
ことがあります。

『街のでんきやさん』の話」(PHP研究所)という本が
あります。この「元気屋(電器屋)さん」とは、
全国の「パナソニックのお店」のことです。

社名変更前は「ナショナルのお店」。
松下幸之助さんが作った松下電器の販売店です。
このパナソニックのお店を取材し、お客様との
「いい話」を綴った本です。

大阪府堺市の「フラグシップキョウェイ」さん
のエピソード。

ある日、このお店にテレビを買いたいとお客様が
やってきました。
「いっちゃん大きいのを買うたるわ!」
と言って。ところがです。

「やめとき!」と言われてしまいした。
それが嬉しくて、そのお客様は、そのお店を
ますます信頼するようになりました。

二代目店主の田池大輔さんいわく、
「あの部屋に置くのに、アレは大きすぎるわ。
かえって見づらい、目わるくするわ。
僕がすすめたほうで正解やったろ」
そして、こう続けます。

「このあたりにも量販店さんがいくつかあるし、
いまはネットで買う人も増えてきている。
そんななかで、いちばんお客さまのためになる
ご提案ができなければ、“街のでんきや”を
やってる価値がないと、僕は思っているんです」

これって、幸之助さんの教えに通ずるんじゃ
ないかと。
有名な幸之助さんの言葉をいくつか掲げさせて
いただきます。

「商売は、世のため人のための奉仕」
「売る前のお世辞より、売った後の奉仕」
「お客さまの好むものを売るな。
お客さまのためになるものを売れ」
「商売とは、感動を与えることである」

これらの「魂」は、「フラグシップキョウェイ」さんの
「商い」の姿勢に、脈々と生きているのですね。

「これのサイズで充分」
「余分な機能は必要ないですよ」
「直せば、まだ使えます」
何度、そう言われたことか。

それだけではありません。蛍光管1本切れても、
取り換えに来てくれるのです。
(さすがに申し訳なくて、取りに伺うように
していますが・・・)

「安さ」をウリにするのも「商い」の大切な
ポイントです。でも、価格だけではない。
損得抜きのお付き合いができるお店が、
すぐ近くにあることが、「幸せ」だ
と思えるこの頃です。・・・




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