2018年11月12日月曜日

妄想劇場・the(ライフ)

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未熟な愛は言う、
「愛してるよ、君が必要だから」と。
成熟した愛は言う、
「君が必要だよ、愛してるから」と。
・・・
エーリヒ・フロム


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ひと昔前、「死ぬまでセックス」特集が週刊誌で
大々的に組まれたが、最近はお堅いNHKでも
老後のセックスを取り上げるご時世である。

近い将来「100歳まで生きるのが当たり前の
時代になる」と言われるニッポンの超高齢社会。
高齢者の性事情とスローなセックスライフについて
考えたい。

埼玉県南部にあるデイケア施設に通う清水さん
(56歳・仮名)は二年前、職場で作業中に脳梗塞で
倒れたが、緊急手術により一命をとりとめた。

当初は社会復帰を目指しリハビリに励んでいたが、
右半身の麻痺が悪化する一方で、若くして施設に
通う事を余儀なくされたという。

そんな清水さんには、あるヒミツがあるのだと
施設関係者が声を潜める。
「ずっと独身のあの人は、女性と付き合った
経験がないらしいんです」

施設に入居した頃は、女性職員が声をかけると
顔を紅潮させ、しどろもどろで返答するか、
聞こえないふりを決め込んで脂汗を流していたほどの
純情っぷりで、会話も成り立たないほどだった。

当然、女性介護士による食事や排泄の介助も
拒絶し、数少ない男性介護士が順番で清水さんの
世話をしていたのだというが、30代の女性介護士・
Y美さんの献身的な介助が清水さんの心を開かせた。
……と、ここで終われば美談だが、現実は
明後日の方向へ進んだ。

「Y美さんは既婚で二児のママさん。とにかく
気立てが良く、施設の入居者の誰からも人気でした。
清水さんはそんなY美さんから優しくされた事で
好意を持ち、ラブレターを出してしまった。

ただ、これも珍しいことではない。
清水さんの場合は、その先が予想外でした」
女性の優しさに触れ、還暦直前に甘美な“恋愛感情”が
芽生えた清水さん。

はじめはY美さんにお菓子などのプレゼントを
持ってきたりする程度だったが、日が経つにつれ、
Y美さんではない介護士が清水さんの介助を
しようとすると怒鳴りだし、Y美さんが休みの日は
不機嫌になりモノや入居者に当たり散らし、
ほとんど手がつけられない状態になっていった。

優しいY美さんも、さすがに清水さんを敬遠し
つつあったが、決定的な事件が起きる。

「Y美さんが毛の濃い清水さんにクスリを塗りながら
“毛深いですね”とつぶやいたのですが、翌週には
首から下の毛が一本残らず剃り上げられていました。

聞けば高齢の母親に手伝ってもらい、
全身を除毛したのだと…。
その直後にはY美さんのエプロンが無くなる騒ぎが
あったのですが、清水さんのバックから発見され、
広げると汚されていました」

すっかり勘違いした清水さんは…

気味悪がっていたY美さんのよそよそしさを見て、
清水さんはこれまでの言動を反省するのではなく、
自分に気があるとでも勘違いしたらしい。

なんと、Y美さんの前で婚姻届を取り出すと、
職員や入居者の前でプロポーズをしてしまったのだ。
気丈に振舞っていたY美さんもすっかり参ってしまい、
グループ内の別施設に逃げるように異動した。

一方、施設に通い始めた二年前の照れ屋で
純情だった面影はすっかり無くなり、今では
妙な自信に漲っている清水さんは、今度は
いろいろな女性へ向けて婚活に勤しんでいる。

「Y美さんの後に“惚れた”女性職員の為に、
髪を染めたり眉毛を整えたりしていましたが
呆気無くフラれました。

すると今度は、新卒の若い事務員女性の
気を引こうと、母親の年金で永久脱毛に
通っています。

女性に介助されていい気分になるのはある程度
理解できますが、清水さんの場合は手当たり次第に
女性職員にセクハラを仕掛けるようになり、
すでに四人が辞めるか、異動しました。
“半径50cm以内に近づくと求婚される”と、
女性職員は気味悪がって誰も近づきません」

清水さんの奮闘ぶりを滑稽と笑うのは簡単だ。
しかし、日本の将来を考えたとき、彼の姿は
特殊な例とは言い切れない時代が来るのではないか。

たとえば昨年、女性との交際経験がない男性が
20代未婚男性で53%にものぼったという
調査結果がある(安田生命生活研究所調べ)。

いま20代の男性が50代、60代になったとき、
現在よりもずっと多くの人が「交際経験なし」
になるだろう。異性との交際経験を積んでこなかった
高齢者が、介護という仕事を自分への好意と
勘違いしてしまう事態が、もっと頻繁に起きる
と容易に想像できる。

“相手は老人”かつ“お客さん”として接するがあまり、
清水さんのような婚活暴走老人が生まれて
しまったというわけだが、現在でも彼の例は
特殊と言い切れるものではない。
関係者以外に知られていないだけだ。

実際に、介護職員に思いを募らせるあまり
ラブレターを渡す高齢者は珍しくないし、
職員の身体を触るなどのセクハラは日常茶飯事だ。

笑えそうで笑えない、超高齢化社会の
我が国で起きている現実。
今は取るに足らない小さなこと、特殊な事例だ
と思うかもしれないが、見過ごしているうちに
大きな社会的問題になるだろう。・・・


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85才にして、あえて一人暮らしを続ける矢崎氏は、
伝説の雑誌『話の特集』の編集長を創刊から
30年にわたり務めた経歴の持ち主だ。  

現在も、ジャーナリストとして新聞、雑誌などに執筆、
講演などでも活躍する傍ら、炊事、掃除、洗濯も
自ら行う多忙の日々を過ごしているのだが、
先日、体調に大きな異変が起きたという。

大事に至るようなハプニングを乗り越えた矢崎氏に、
事の顛末、近況、暮らしの心構えなどを
綴っていただいた。  

駅のホームで突然気を失った!

我が盟友・故永六輔は、よく転んだ。
それも所かまわずに転ぶ。街角、旅先、家の中。
捻挫、骨折をのべつ繰り返した。

パーキンソン病とわかったのは、亡くなる5年ほど
前のことだった。あんまりコロコロ転ぶので、
ある日、覚悟して精密検査を受けたのである。

人生は確かに七転び八起きではあるが、
肉体的に転ぶのは怪我になる。
怪我の功名などと笑ってばかりはいられない。

恐ろしいのは、突然、意識を失って転ぶ、
いや、転倒する事態だ。
永さんはそれをやって週に2度救急車で
病院へ運ばれたこともあった。

さる、10月1日の夕方、私は渋谷の井の頭線
ホームで気を失って倒れた。
頭、腰、膝などを打撲したのだが、気が付いた
時には駅のベッドに寝ていた。

どのくらいの時間が経過していたのか不明だったが、
駅員の方が私を覗き込んで「救急車を呼びますか?
それとも、どこかへ連絡されますか?」
と意識の戻った私を覗き込んで言っていた。

私が覚えていたのは、ホームで電車を並んで
待っていたところ、大地震が起きたかのように
脚が揺れ始めた。つぎの瞬間脱力して、
バッタリ倒れたのである。

そこまでしか覚えていなかった。
気付いたらベッドに寝かされていたのだった。
携帯(ケイタイ)をポケットから取り出し、友人の
医師に電話をかけた。私にとって、日頃から
世話になっている主治医でもある。

すぐに、U先生が出てくれた。
事情を話すと、「タクシーに乗せて貰って、
私の病院へ直行して下さい」と言う。

渋谷から病院のある高井戸までは、早ければ
30分で行ける。車椅子に乗せて貰い、
無事タクシーに乗ることが出来た。
とても親切に扱ってもらい、駅員の方々には
心から感謝した。

事故の対応も素晴らしかった。感謝感謝!

やや渋滞していて、45分程で病院到着した。
閉館時間だったが、スタッフ全員で待っていて
くださったのだ。

血圧280、白血球は1万を超えており、
U先生の診断では「一過性脳虚血発作」という
ことだった。早速手当を施していただく。

人間は脳発作では後ろへ、心臓発作なら
前へ倒れるという。このことは、前から知っていた。
もし、心臓だったら、ホームから転落していただろう。
直前に電車が入ってきていた。まったく
一寸先は闇である。

家で安静にして、様子を見ることになってホッとした。
入院などということにいなったら、たちまち
日常が崩れる。

ま、不幸中の幸いだったと駅員の方々、
そして安全運転してくださったタクシー・ドライバー、
むろんU先生に感謝しつつ、自室ベッドに
横たわって数日安静に過ごした。

煙草とコーヒー豆と食材を買い出しに渋谷へ
行ったのだが、街も売り場も夕方とあって
大混雑していた。原因はストレス以外に
考えられないのだが、・・・
アタマに血が上った理由は思い浮かばない。・・・

それはさておき、私が心からお勧めしたいことは、
何かの時に電話口に直接出てくれる主治医を
持ちなさいとうことである。

いきなり救急車で見知らぬ病院へ運ばれ、
手当を受けることは、思ったよりも大きな
リスクを伴う。

実際に、のべつ転んでいた頃の永さんは、
その被害を受けていた。
彼の場合は有名人でもあったので、たちまち
メディアに知られ、他の病気についての
プライバシーを流されてしまっている。

つまり、大病院の医師ではなく、いわゆる町医者
(小さな開業医)であってもいいから、親しい医師を
知っていれば、突然病気になっても適切な
アドバイスを受けることができる。

最も怖いのは、自分だけの判断で勝手に
行動してしまうことだと思う。
肉体的な異変が起きることを習慣化させて
しまうことも良くないし、まして素人の知恵で、
病気を拡大することだってある。

病院嫌い医者嫌いも、年齢と共に寛容になることが
大切だと、私のような野蛮人にもようやくわかった。
頼れる医師を友人にもつ。つまり、主治医と言える
大げさな存在でなくても、気楽に付き合ってくれる
医師を探しておくことは、老人や幼子(おさなご)に
とっては、必須条件ではないだろうか。

昨今は二人に一人がガンになる。だからと言って、
のべつ不安に思っていたのでは、うっかりすると
詐欺に引っかからないとも限らない。

ノーベル賞の先生が、オプジーボが有効な人は
20%だといっているのに、マスコミは万能薬
扱いしている。もって銘するべきではあるまいか。

悠々自適独居生活の極意ここにあり。・・・


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