2018年10月23日火曜日

韓信外伝 -春秋の光と影(呉の興隆)

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アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい

Kensin1



メジャーでは無いけど、 こんな小説あっても、 
良いかな・・・

Kansin



春秋末期の楚は、愚者たちによって
統治されていた。
能者は他国へ流れ、賢者はそねまれ死を
強要される。
しかし変革に立ち上がった者たちにも行動に
統一性は見られないのであった。

ある者は祖国を改革しようとし、ある者はあえて
祖国を滅ぼす、と主張する。
彼らはそれぞれに信念があり、正しかった。
誰が間違っていたというのか。 ・・・

韓信外伝 -春秋の光と影(呉の興隆)
:罪人を将とす 

「ちょっと待って、お兄さま」
紅花が話に割って入った。突然のことで、
礼儀を失する行為であったが、それを咎める者は、
この中にはいない。

「どこかで似た話を聞いたような……」
「まったくだ。費無忌は伍子胥ばかりでなく、
同じ方法で伯嚭を呉に追いやっている。
その実行役が、嚢瓦だというわけだ。

いまや伍子胥と伯嚭は呉の将軍として
楚を窮地に追い込もうとしており、楚の国民は
それを察して恐々とおののいている。

情報に通じている者は、すべての責が費無忌に
あることをすでに察しているのだ」
かつて費無忌によって楚に連れてこられた
嬴喜にとって、無関係な話ではない。
彼女は、心配そうに包胥の顔を覗き込んだ。

「それで、どうしようというのです?」
包胥は宣言するように言った。
「費無忌と嚢瓦には、罰を受けてもらいます。

嚢瓦は宰相として費無忌を誅殺する。
そして嚢瓦には、戦場で苦労してもらいましょう。
あるいは死が彼を待っているかもしれませんが、
そこで生き残るかどうかは、彼の才幹次第です」

「そのような者に国の命運を賭けても
よいものでしょうか」
嬴喜の問いに包胥は首を振って答えた。

「国の命運など、たいしたものではございません。
大事なものは人の命であり、尊厳ですぞ。
言い換えれば、それらとひきかえに国の命運を
差し出してもいっこうに構わないと私は考えます。
なぜなら、人が無ければ国は成り立たないからです」

「それをまた言い換えれば、人の命さえあれば、
国は存続するということですか」
「おっしゃる通り」
包胥はこのとき微笑し、嬴喜もそれに応じた。

片腕の費無忌は刑場に連行され、首を
刎ねられようとしていた。
「申し開きは許さぬ」嚢瓦はそう言って費無忌の
口を塞ぐよう周囲の者に命じた。

費無忌の口から郤宛殺害の実行役が
自分であることを、漏れることが無いように…
…すでに知っている者も多いが、改めて広める
必要はまったくない。
ただ、自分の立場を悪くするだけであった。

「構わぬ。やれ」
口を塞がれてもがく費無忌の首に、剣が当てられた。
それが振るわれた瞬間も、彼がなにを言ったか、
定かではなかった。

嚢瓦は費無忌の存在とともに、過去を抹殺した
つもりでいた。そして嚢瓦は令尹の任にありながら、
将軍職を授かることになる。

一見これは名誉なことであった。
彼はこのことを佞臣費無忌を誅したことに対する
褒美だと受け止めたのである。

図に乗った嚢瓦は、軍を引き連れて周辺国の
唐や蔡に駐屯すると、安全を保障するといって
賄まいないを要求した。
しかしそれらの情報は、呉の間諜によって
すべて筒抜けとなっていたのである。

かくて嚢瓦は呉を攻めたが、伍子胥によって
その進軍を阻止されるに至る。
呉・楚両軍は豫章よしょうで遭遇し、会戦となった。
その結果、楚軍はおおいに敗れ、撤兵を
余儀なくされた。

呉は間諜から得られた情報をもとに、楚軍を
待ち受けていたのである。
これによって、楚は東の領地である居巣きょそうを
失うこととなった。


・・・つづく


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る・・


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愛知県の山田貞二さんのいい話
山田さんが一宮市立大和中学校で校長を
務めていた時の出来事だそうです。
祝日の日、静岡県でバレー部の部員とともに
練習試合に臨みました。

たくさんの学校と試合をし、多くの方に応援に
来ていただき、感謝の一日でした。 
また、感謝といえば、この日はもう一つ、
とても心温まるできごとがありました。

練習試合が終わり、帰りの電車に乗ろうと、 
顧問の先生も生徒も鷲津駅で切符を買おうと
していました。 

自動券売機では販売していないほどの遠い
距離であったため、 全員窓口で切符を
購入しなければなりませんでした。

先生がまとめて立て替えて全員のチケットを
購入するのが手間もはぶけて効率的です。 
実際に、学級や学年単位など大勢の場合は、
まとめて購入します

しかし、部活動の遠征などの際には、
一人ひとりが自覚を持って行動し、 
社会性やマナー等も身につけさせたいという
考えから、 一人ひとりが切符を買うように
指導しています。

ところが、窓口に並んだ列の2人前のお客さんが
手続きに時間がかかっているうちに、 
電車の到着時間がだんだんと迫ってきてしまいました。

ただでさえ、県を超えての遠征で、帰宅時刻の
ことを考えると 電車を1本遅らせるわけには
いきません。 内心、非常に焦りが募ってきました。

(やはり、まとめて購入すべきだったかなと)

その時です。すぐ前に並んでいた若い男性の方が、 
「お急ぎですよね? 先に切符を買ってください」 と、
順番を譲ってくださったのです。

バレー部はその時全部で11人。 
順番を譲るということは、その男性が切符を
買えるのは 12番目になってしまうということです。

「いいんですか?」 と、顧問が尋ねると、 
「困ったときはお互い様です。」 と言い、
スッと後ろへ移動されました。 

たぶん、生徒全員がおのおのに切符を購入する
という意味合いも 理解してのことだと思われました。

その男性のおかげで、全員が無事切符を買い
ホームへ向かうことができました。 
バレー部全員で、その男性に向かって、 
「ありがとうございました!」 と、精一杯の感謝の
気持ちを込めてお辞儀をし、あいさつをしました。 

その男性は少し照れくさそうにはにかみながら、 
ペコッと会釈を返してくださいました。

電車がそろそろ鷲津駅に到着する頃、
後ろを見ると、 その男性も切符を買い終わり、
ホームに向かう姿が見えました。

同じ電車に乗るということは、その男性は
家路を急いでいたのかもしれません。 
そんな中、もしかしたら、再び会うことは
ないかもしれない私たちに、

「困ったときはお互い様です」
と言って、順番を譲ってくださったその男性の
温かさにとても心打たれました。 
「人情」に触れることができた帰り道となりました。



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